パートナー企業インタビュー
Company interview
誰もが楽しめる施設として
裾野を広げるために、
様々なことができる施設を
共につくっていければと思っています。
タビオ株式会社
代表取締役社長
越智 勝寛 様
eスポーツ事業に参入されたきっかけをお聞かせください。
コロナ禍に見舞われたころ、2030年を想定したとき個人的に、今後はメタバースの世界で商売が行われていたり、人間関係が構築されていく時代になっていったりするのだろうと思ったことが、eスポーツ事業に関心をいだいたきっかけとなります。
以前より、メタバースの世界やムーンショット計画などの未来を遠い先のように感じ、それらの時代がどのように始まっていくのか、なんとなく疑問に思っていました。
そんな中、日本橋にあるオタロードを歩く機会がありましたが、そこは私がイメージしていた以前の風景とは違い、スタイリッシュな服装の人やゲームグッズが目に入りました。特にPC機器を販売するショップを見たとき、グッズのデザイン性を見て、今後はこうした変化がファッション業界にも来るのではないかと感じました。この出来事をきっかけに、eスポーツを調べていくなかで、以前からぼんやり考えていたメタバースの入口は、eスポーツなのではないかと考えました。そして、同じく難波に本社を構え、繋がりのある南海電鉄様がeスポーツ事業を推進していると聞き、当時の事業部長の方との話を経て、大阪で開催された「VALORANT Challengers Japan 2023 Split 1・2」へ、出資することになったのが、eスポーツ事業に参入したきっかけです。
最近参加した「日本eスポーツアワード」では、eスポーツ選手とキャスターが同等に扱われ、表彰される光景を見ました。今ある野球やサッカーなどのスポーツでは見られないもので、これからの未来へ向けて、この業界を良いものにしようという流れを感じました。
今回eスポーツが採用されたパリオリンピックはとても重要で、今後はeスポーツが創り上げた文化・仕組みが、他のスポーツへも導入される等の動きも出てくると思います。
eスポーツ事業を通して靴下を売ろうとは、あまり考えていません。ただ未来の形を考えたとき、私自身がこの業界のことを知り、その可能性について読み切れていないと、将来的にタビオという会社自体が必要とされなくなるときが来るかもしれません。また私自身にそのリテラシーがないと、そういった方面の人材を採用する際に見極めがつきません。そういった理由から、この業界のことを研究し続けています。
南海電鉄およびeスタジアムとご協業いただいている理由はございますか。
南海電鉄様は関西人からすると、南海ホークスの歴史を含め、とてもなじみが深い企業だと感じています。また、なんばパークスやなんばスカイオ、なんばシティにおいてもお客様のニーズや時代に合わせたテナントの誘致を行っている点もとても魅力に思っています。このように新しいことに非常に前向きに取り組まれている姿勢をみて、ぜひ深くお付き合いさせていただきたいと思い、協業させていただきました。
また地域貢献という面においても、南海電鉄様およびeスタジアム様がeスポーツを通して、難波地区の活性化を図っているところは、同じ難波に本社を構える企業として、共に推進していきたいという思いもあり、ご一緒させていただきました。
また、企業自体がやはり大阪人気質な気がします。多少の向かい風があっても、振り切って事業を行っているところに、そうした面を感じます。今の時代にはコンプライアンスやガバナンスを重要視することが必要だと思いますが、企業としてそれは行っているのが前提です。今後、お客様から評価されていくには、企業にも、南海電鉄グループ様のようなエンターテインメント性が大事であると考えています。
ご協業いただいていることによる貴社への良い点や反響はございますか。
大きな反響というのは、これからの部分が多いですが、eスタジアム様が行う「関西eスポーツ学生選手権」などの、eスポーツに関わる学生を応援し、健全な育成に寄与できるイベントを共に推進することによって、その取り組みが会社にとってもプラスのものとして受け入れてもらえるところが大きなメリットだと思っています。
未来を担う「子どもたちの育成」という目的を持つと、ゲームはただの遊びではなく、手段となり、eスポーツは一つの文化になります。今後eスポーツは地域貢献や公共事業の重要なアクターとなり、企業として学生を応援することで、ただのエンターテインメント事業ではなく社会的意義のあるものとして、どの世代にも肯定的に受け入れられやすくなってくると思います。
eスポーツ業界は今後さらなる伸びを見せ、2026年には市場規模は500億円を突破すると 予想されております。そのような市場の中で、貴社の展望、また弊社に期待することが ございましたらお聞かせください。
弊社としてはこの波を受け止め、引き続きしっかりやっていきたいと思います。
期待することといえば、小規模でもいいので大会を開催し、参加できる機会・環境の提供に一層力を入れて行ってもらいたい、ということです。初心者でも楽しめる大会や、誰もが楽しめる施設として裾野を広げるために、今あるeスポーツに加えて、ストリーミング配信やキャスターなど、様々なことができる施設を共につくっていければと思っています。